議論の大前提がおかしいと思うんだよなあ、今回のこの辺の話。
- 尾田栄一郎『ONE PIECE』 - 紙屋研究所
- http://d.hatena.ne.jp/CAX/20100630/one_piece
- ワンピース批評が「できない」いくつかの理由 - こころ世代のテンノーゲーム
- なぜワンピースは面白いのか - 枯れた知識の水平思考
ワンピースはメジャータイトルで、日本人の多くが好きで、買ってて、読んでるのが当然、なんて考えてませんか。特に発端になった記事書いた人。
それは、漫画オタクの自意識過剰です。
ONE PIECEの初版発行部数、310万部ってことは、日本人100人当たり2.5冊、2.5%にしかならない。
増刷かかったにしたって、全発行部数から単巻400万部は行ってないので、残り96〜97.5%の人は、ONE PICEの単行本を買うほどには好きじゃあない、面白いと思っていないかそもそも知らないってこと。
(そんなことはありえないけど)雑誌で読んでる人が一切単行本を買っていないとしても、読者数はジャンプの280万部を足して、なお600万人に届かない。
マイノリティーなんですよ「ONE PIECE好き」ってのは。圧倒的に。
それを「メジャーだけど敢えて言わせてもらう」みたいな風に考えてるのがもうズレてんの。
こないだのサッカーの日本代表戦、あれ視聴率50%超えてましたよね。
桁違うよね。人数で言うと5000万人くらい違う。
一体みんなは、このマンガのどこを面白いと思っているのか。
http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100628/1277732436
日本におけるごく少数派のマイノリティは「みんな」なのか。
なんかおかしいよなー。みんなって誰?
http://d.hatena.ne.jp/kamiyakenkyujo/20100628/1277732436
まわりに「何のマンガが好き?」と聞いてもたいていのやつは『ONE PIECE』と答える。
「まわり」のサンプリングが偏ってるだけだろやっぱり。
年齢や職業にもよるけど、「いやーマンガはあんま読まないよ」「最近読んでないなあ」というような回答が、本来予想しうる最多。
あとは、回答相手がアレだなーと思ったんで、自分が知ってる有名どころ、無難な答えを返しといただけか。
・・・まあ、記事一覧 - 紙屋研究所見てみると、自分が好きな作品を取り上げた記事よりも自分が嫌いな、好きになれない作品を取り上げた記事の方が多いみたいだし、そういうスタイルなんだろう。
そういう人に、この作品が面白いよ、って素直に答える人のが少ないかもしれませんね。
もっと漫画に関して雑談(というのもおかしな言い方だけど)出来る様な知り合いや友人と喋ってみたりしないのかな、その辺。
自分が参加させてもらった飲み会とかだと*1「ドカコック」「SとM」「任侠沈没」「惑星のさみだれ」「楽園」(これは雑誌)「慶太の味」「うさくんの脳みそやわらかい」「鋼の錬金術師」など、自分がこれは面白い!と思った作品に関して話すのに忙しくて、わざわざつまらない理由を追い求めたりしない人が多いのでそう思っちゃうだけなのかしら。
だから何時だろうと言うよ。漫画ゴラクは面白い、「SとM」面白い!
それと同じく、そして全く違うが故に、ONE PIECEも面白いよ、と。
まとまんないけど、そういうことです。
漫画ってそんな読まれてないよ、と言う話
そもそも、習慣的に漫画を読んでる人のほうが少ないんですよ。
週刊漫画雑誌って今のところこれだけ(もうすぐバンチ休刊しちゃうけど)で
- 週刊少年ジャンプ:280万部
- 週刊少年マガジン:165万部
- 週刊少年サンデー:77万部
- 週刊少年チャンピオン:50万部(公称部数)
- ヤングマガジン:85万部
- ビッグコミックスピリッツ:30万部
- ヤングジャンプ:85万部
- モーニング:36万部
- コミックバンチ:16万部
- 週刊漫画サンデー:30万部(公称部数)
- 週刊漫画ゴラク:50万部(公称部数)
- 週刊漫画TIMES:50万部(少し前の公称部数)
12誌全部足しても954万部/Weekでしかない。
複数の週刊漫画雑誌を読む人が全く居ない、0〜5歳の児童は文字読めない≒漫画を読まないん、としても10%もいないって計算になる。
漫画雑誌の売り上げ金額についてはこの辺の記事で推移を書いてるのですが、今もう全然少ない。
ただ、ジャンプは280/954なので、占有率30%いってるってことか・・・。
ONE PIECEの場合、単行本の初版が雑誌よりも部数上なんだから、単行本派が多いというか、雑誌派が少ないのだな。
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*1:もちろん、これは逆方向に偏ったサンプルが集まっている例ですが