WEB連載された作品のことを調べようとしたら、二度とアクセスできない情報が増えるので、調査・研究を行うのが困難になるかと思われます。
既に現在そうなりかけてるんですが、10年、いやさ数年後にはもっと苦労するでしょう。
前提
漫画に限らないのですが、雑誌掲載→単行本化という過程で色々と付け加えられるもの・失われるものがあるかと思います
- 単行本カバーイラスト
- 扉ページの削除・変更
- カラーページの単色化、逆に単色ページのカラー化
- 連載時からの書き直し、追加、変更
- アオリ、柱のお便り募集文
- 柱・目次ページなどの作者コメント
- 記事ページ(人気投票の発表、舞台探訪レポ、読者からのお手紙特集etc...)
- 発売日情報、次号予告での扱い方
出版社によっては、単行本に初出情報を書いてあるので、自分の手元にある切り抜きや雑誌と比較したり、アーカイブされている図書館でコピーを取ってきたりする事で、どこにどんな変更があったとか、連載時には雑誌の中でどのような位置にあったとか調査する事が可能です。
これが、今までの場合ですね。
WEBでの連載の場合
- 期間限定公開→単行本化という場合、アオリや作者コメントは公開期間中以外アクセスする方法が無くなる
- 初出情報の書き方にもよるが、何時頃発表されたものか特定しづらくなる
- 同時に連載されていた作品などを調査するのも面倒(すべての作品が単行本化されるとは限らないし)
- どの位の読者が初出時に読んでいたかなんて全然分からない
- 無料公開タイプだと物価との比較、なんてのも意味をなさなくなる(これはどうでもいいか)
また、ブログなどからの書籍化の場合、単行本収録作品の発表順とか、同時期の作品とか、作者のコメントとか、どうやって調べればいいのやら。
例えば、今既にヒーロークロスラインのYahoo!コミックでの初出・公開期間の情報調べるのって不可能に近いし、作者コメントもロストってます。
ガンガンONLINE | SQUARE ENIXや「無料のコインでマンガが読める」サンデーうぇぶりの作品の単行本ってどういう風に表記されてんでしょ。特に、紙媒体にも並行発表されてる場合とか。
もちろん、「作者本人に聞く」という最終手段へのハードルは昔に比べりゃ低くなってるんですが、それでもやっぱりどうかなあ。
余談
ところで、今、ヤングジャンプのHPで林佑樹「カイチュー!」という作品がWEB連載されてる(http://yj.shueisha.co.jp/web_comic/kaichu/)んですが、これは紙の雑誌の方に目次コメントが掲載されてるんですね。
それはそれでなんかおかしいというか、うーん。