情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明


漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

映画『五福星』劇場パンフレット(1984年)に載ってたジャッキー・チェン漫画がなにかおかしい&集英社の専属契約の影響がここにも



五福星 デジタル・リマスター版 [DVD]
五福星 デジタル・リマスター版 [DVD]

 1984年に公開された香港映画『五福星』の劇場公開時パンフレットがこちら。
 




 これに漫画が掲載されていました。タイトルは「番外編・怪盗大混戦」
 作画を担当しているのは「ロン先生の虫眼鏡」「ザ・シェフ」などで知られる加藤唯史
 
  



 ジャッキー・チェンの設定は刑事、サモ・ハン・キンポーの役名も「カボ」と映画と一応合っているのですが*1、なぜか詐欺師ではなく怪盗。刑務所帰りの自称「カボチャ仮面」


 


 ・・・カボだから?カボだからなの、これ?
 微妙に設定が反映されているのが逆におかしい。パンフレット作成の時期にはまだプロットのみで、こういう設定で描いてね、みたいな依頼だったんでしょうか?


 

 その上スーパーマン風というかなんというかな衣装まで着せられて、もう「五福星」全然関係ない世界です。



 ジャッキーは一箇所だけこんなキメ顔がありますが、あとはこういう感じ。
 
  

 


 サモハンはキメ顔なし(あえて言えば扉か)




 その上、犯罪予告をしてくるのは「怪人22面相」。


 


 いやいや、「怪盗」のニュアンスとして、日本人にしかわかんないっぽいんですが、これ。
 完成品に対する原作側のチェックはあったんでしょうか。


 とにかくオリジナルストーリーというか、本編と全然関係ない世界になっちゃってます。
 どうなってんのこれ。あ、もちろん単行本未収録ですね。



ヤングジャンプとのタイアップと専属契約


 



   



 この映画は宣伝でヤンジャンとタイアップ?したらしく、当時の連載作家による拳法なんたらイラスト大集合が載ってます。*2
 メンバーはアイオウエオ順で( ()内に当時の連載作品)


 どのイラストも、やる気があるのかないのか微妙な・・・。
 この中で、今でもヤンジャンで描いてるのは井上紀良だけかな?集英社で、なら、石川サブロウ弓月光(BJで)、野部利雄(月刊ヤンジャンで)、釋英勝(Oh!Superジャンプで)が居ますが、半分も残ってないんですな。


 しかし、こういうタイアップをするんだったら、この中の誰かなり、ヤンジャン関連の作家が漫画描けば良かったんじゃあないのとも思ったんですが、多分これ専属契約的に「集英社の漫画雑誌以外で描けない」が故にこうなったのかもしれません。


 ちなみに、加藤唯史は1980年代には集英社で仕事をした事は無かったはず。



別の「五福星」コミック


 実は、もう一個ありまして、最初こっちと記憶違いしてたんですわ。
 秋田書店から出た「MOVIEコミック」ってやつ。

 



  



 今では、こういうのはアニメでフィルムコミックとしてある・・・くらいですかね。
 実写映画のは何時頃まであったんでしょう。




 といったところで今回はここまで。


*1:ただし、これは劇場公開時の勝手な翻訳設定のようで、原語の役名は「Teapot」(参照>http://en.wikipedia.org/wiki/Winners_and_Sinners)で、以降のTV放映・ビデオ・DVDでは「ポット」です

*2:抜けとしては、矢野健太郎(ネコじゃないもん!)が載ってませんね。なんででしょ