今週のさよなら絶望先生あたりと丁度リンクしてたんで。
原著にあたった訳じゃなくて孫引きになりますが。
漫画は雑誌やコミックスなどの形態別を問わず、書店、駅の売店、そして自動販売機*1などで売られるようになっていった。理髪店、電車内、喫茶店に自宅―――それは、さまざまな場所で愛される手軽な娯楽になった。漫画産業は年商五五〇〇億円規模にまで成長し、販売額ベースであらゆる雑誌や書籍の二〇%、発行数量ベースで四十%を占めるまでになっている。*2
漫画の魅力の大きな一面は、その価格である。わずか数百円で、毎週ハラハラしながらスリラー劇画*3を気軽に楽しめる。漫画は、長い通勤車中の格好の暇つぶしでもある。「漫画の人気は貧困と関係していた・すなわち、長く退屈な通勤時間である」と、シャロン・キンセラは『大人のマンガ―現代日本社会の文化と権力(未訳、Adult Manga:Culture and Power in Contemporary Japanese Society)』*4で書いている。「少年漫画は、長時間働く男たちにとってのポータブル・テレビだった。四〇年ものあいだ、漫画は戦後日本の都市生活で、もっとも安価で手の届きやすい娯楽でありつづけた」
(中略)
漫画はいまも日本で広く読まれているが、経済停滞にともなって売り上げは鈍化している。戦後の数十年間に漫画を読み支えてきたベビーブーマーたちはいまや引退年齢にさしかかり*5、それほど熱心に漫画を読まなくなった。若い人々も、テレビゲームやテレビアニメ、インターネットなどに多くの時間を使うようになっている。かつては長距離通学する学生たち*6が電車内の暇つぶしに漫画を読んだ。いまでは任天堂のゲームボーイでもやるか*7、携帯電話で友人に電子メールを送っている。
「巨額を稼ぎ出すハローキティの生態」(ケン・ベルソン+ブライアン・ブレムナー) P174-176より。
原著は2003年11月にアメリカで発行、日本語訳は2004年。
- 作者: ケンベルソン,ブライアンブレムナー,Ken Belson,Brian Bremner,酒井泰介
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2004/06
- メディア: 単行本
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5年前にこの本が書かれた時点から、方向は変わってないってことですかね。
まあ、この本の主題とはあんまり関係ない部分の話ではありますが。
閑話休題。
そうそう、私がこの本を読んだ感想ですが、サンリオと任天堂ってなんか似てるかも。
社長の押しが強いところとか。
ご当地キティはこの本が書かれた時点では250種類とのことですが、その後も順調に増え続け、現在では総計千種近くとか何とか。
http://gotochikitty.com/
自分も先日東京駅の売店で色んなのが売ってるのを見ましたよ。秋葉原はメガネメイドさん、池袋は鋼の錬金術師、など。
カタログ本の表紙を見ると800+700で1500以上なのか、重複があるのかわかりませんが、各バージョン複数商品があるだろうから商品点数だと3000でもきかないか。。
旅行のおみやげにちょっとずつ、ならまだ良いですが、全部揃えるとなると幾らくらいかかるんだかわかりませんな。
#私の知り合いにもキティちゃんが本当に大好きな女性がいらっしゃいますが、流石に車やパソコンや宝石は買ってなかったですね*8。でも、純金のアクセサリーだかは随分迷ったそうですが。
*1:soorce註:これは勘違いか誤訳か?都市圏では新聞の自動販売機は一般的だが、漫画雑誌の自動販売機はかなり珍しいはず
*2:soorce註:これは、いかに漫画の単価が安いかということも意味している。おかしいよね、どう考えても
*3:soorce註:原文ではどういう単語なんだろう。Thriller Story?「劇画」という訳でいいんだろうか?
*4:soorce註:ISBN:0700710043 2000年
*5:soorce註:大学生が電車の中で漫画を読むようになった、といわれたのが1970年前後、その世代が60歳定年となるのが2007〜2009年
*6:soorce註:この場合の「学生」が中学・高校生を指しているか大学生かは判然としない
*7:soorce註:原著は2003年なので、まだDSもPSPも発売前
*8:あるんですよ、そういうのも