本日のコミティア84で西原理恵子大原画展に合わせて「西原理恵子の本棚」が配布されてたんでご紹介。
今回は特に1冊ずつのコメントや解説はなく、シンプルな構成でした。
下記データは 「タイトル (作者名) 出版社」となっています。
- 人間の大地 労働-セバスティアン・サルガード写真集- (セバスティアン・サルガード) 岩波書店
- LIFE AT WAR (タイムライフ社) タイムライフブックス
- Living Jewels: The Natural Design of Beetles (Poul Beckmann) Prestel Pub
- お野菜戦争 (デハラユキノリ) 長崎出版
- 浮世絵「名所江戸百景」復刻物語 (東京伝統木版画工芸協会) 芸艸堂
- Ashes and Snow (Gregory Colbert) Flying Elephant Books
- 筑豊のこどもたち (土門拳) 築地書館
- 地球家族-世界30カ国のふつうの暮らし- (マテリアルワールドプロジェクト) TOTO出版
- ちからたろう (ぶん:いまえよしとも、え:たしませいぞう) ポプラ社
- オーパ! (著:開高健、写真:高橋昇) 集英社
- 未確認動物UMA大全 (並木伸一郎) 学習研究社
- かわいそうなぞう (ぶん:つちやゆきお*1、え:たけべもといちろう*2 ) 金の星社
- つづり方兄妹-野上丹治・洋子・房雄作品集- (野上丹治) 理論社
- ハツカネズミと人間 (ジョン・スタインベック) 新潮社
- へんないきもの (早川いくお) バジリコ
- リサとガスパールのであい (ぶん:アン・グットマン、え:ゲオルグ・ハレンスレーベン) ブロンズ新社
- ねぎぼうずのあさたろう (飯野和好) 福音館書店
- したきりすずめ (再話:石井桃子、絵:赤羽末吉) 福音館書店
- かちかちやま (再話:おざわとしお、絵:赤羽末吉) 福音館書店
- 鬼ぞろぞろ (文:舟崎克彦、絵:赤羽末吉) 偕成社
- 花さき山 (作:斎藤隆介、絵:滝平二郎) 岩崎書店
- ベロ出しチョンマ (作:斎藤隆介、絵:滝平二郎) 理論社
- モチモチの木 (作:斎藤隆介、絵:滝平二郎) 岩崎書店
- つきよ (長新太) 教育画劇
- 略画-五十音で引ける略画の百科- (野ばら社編集部) 野ばら社
写真集や絵本、大型本が中心のセレクションで、これら以外の本棚写真も展示されてましたが、写真禁止だしなかなか全部メモるというわけにもいかず。
また、会場では(所蔵本とは別に)実本の展示を行っていましたが、「つづり方兄妹」のみは入手不可能だったとの事。
そして「略画」のみは本人所蔵本を、筆記用具や原稿用紙と共にガラスケース内に展示していました。
原画展は、初期の作品から、最近のものまで。
ちくろ幼稚園なんかはもう2色の赤が変色して飛んじゃってたり。あと、色指定でやってるところが意外に多く、ちょっとびっくり。
私が見てた時間帯、一番多くの人が足を止めていたのはやはり「うつくしいのはら」でした。に収録。
自分の雑誌掲載時の感想はこんな感じでしたが、そうですね、この物語が過去にも現在にも未来にもあった、ある、ありえてしまうお話であるという理不尽さへの回答は未だに見つけられません。
でも、これより後の鴨ちゃんに関して描かれたものや、推薦図書のラインナップを見ると、また別の見方もできるかもしれないとは思います。
あるがままの世界と悲劇の取り得るあらゆる形の間にある数多くの物語(いや、実話か創作に関わらず想像力と心を刺激するエピソードのうち、私の琴線に触れるもの)のうち一つであるのならば、それはそのようなもの以上でも以下でもない、ただそれのみの占める何かなのでしょう。
ここで扱われているのが「言葉」であるというのがより私にとって重く感じられる要因であるのは確かだし*3、なんで西原理恵子が(自身のアジアや中東への渡航とそこからの経験も含め)そのような主題を「PLUTOの戦争」と関連付けたかは定かではありませんが、その根底にある、既に起きた悲劇への絶望と、それでもこれから起き得る、いや為しうる何かへの*4願望というものとこの物語のもつ悲しさというのは*5切り離せないものであるように思えるのです。
「知らぬが仏」という言葉もあるように、そこに明るい(とは限らないけど)何かが見えてしまう、あったのではないかと考えてしまうと、それに到達し得なかったときの絶望はより深くなるのではないのかなあとも。
ああ、また余談ばかり長くなってしまった。