情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

海外ライトノベルの邦訳って現状どうなってるのだろうか?



 いや、そもそも存在するのか?てのも謎ですが。


 当初のタイトルは
 「日本のライトノベルが英訳されて出版されてるそうだけど、じゃあ逆に海外のライトノベルは日本語訳されて読まれてるんだろうかとか思ったけどそもそもライトノベルって概念自体日本のものなのだからなんて呼べば良いのか分からないんであれだ、ティーンズ小説っていうのか、の邦訳についてライトノベル好きな人達はどう思ってるんだろう。あるいは、メグ・キャボットの小説なんかライトノベル好きにはあんまり読まれてないみたいだけど実際誰が読んでるんだろう?」
 だったけど長すぎたんで略。
 そもそも重なるジャンルの小説が存在するかかも不明なんですがね。

読者層は?


 現在の日本においてライトノベルの対象読者層ってのが何歳くらいかってーと、やっぱり中高生〜30代くらいまでになるんでしょうか。
 そのくらいの年代の方だとあんまり馴染みが無いと思うんですが、昔、といっても20年前くらいになりますが、集英社コバルトシリーズ*1や富士見文庫*2では海外作家の邦訳作品もラインナップに入ってたんですけど、何時頃からかティーンズ向け小説レーベル(というかそれは今ライトノベルでいいのか?)は日本人作家だけ、みたいな感じになってるようなんですが、そのへんどうよ、という話です。


昔は海外作品もあった


 実際のラインナップについては、この辺を見ていただければいいと思うんですけど、結構な数(?)翻訳作品も出版されていたのに今はほとんど全然まったく無いみたいなんですね。
 http://alisato.parfait.ne.jp/book/cobalt/index.htm
 http://www.amazon.co.jp/gp/search?index=blended&keywords=%E5%AF%8C%E5%A3%AB%E8%A6%8B%E3%83%89%E3%83%A9%E3%82%B4%E3%83%B3%E3%83%8E%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%BA&_encoding=UTF8
 http://miya-bon.hp.infoseek.co.jp/akibn04.html


現状は日本人作家のみ?


 現在に関してはこちら*3が参考になると思うんですが、(一覧の更新がちょっと追いついてないみたいですが)すごい量なのに翻訳作品は全然無いみたいなんですね。(最後が何時になるのか分からないけど、文庫サイズではここ10年は出て無い?)
 Index of Light Novels Database



 そこで、実際に邦訳されてるティーンズ向けの海外小説はいったい誰が読んでいるのか、というのが謎なわけですよ。
 私はあまり現在のライトノベルに詳しくない(というかほとんど読んでいない)んで、ライトノベル好きの方がライトノベルとして売られているレーベル以外のどういう小説を読んでいるのかがよく分からない*4んですね。

例と言うか


 で、例としてメグ・キャボットを挙げますと

  • 「メディエータ」シリーズは、霊を見る能力を持った女子高生が悪霊退散悪霊退散だけじゃなくてイケメン幽霊との恋愛も絡めつつ自分の才能を生かして成長していく話。


ゴースト、好きになっちゃった メディエータ〈2〉キスしたら、霊界? メディエータ〈3〉サヨナラ、愛しい幽霊


  • 「プリンセス・ダイアリー」シリーズは、NYに住んでる(自称)平凡な女子高生が実はヨーロッパの小国の王位継承権を持つお姫様だったからさあ大変、恋に勉強にお姫様修行にてんやわんや*5って話。映画化もされてます*6

プリンセス・ダイアリー プリンセス・ダイアリー ラブレター騒動篇 プリンセス・ダイアリー 恋するプリンセス篇 プリンセス・ダイアリー ときめき初デート篇 プリンセス・ダイアリー どきどきキャンプ篇 プリンセス・ダイアリー ピンクのドレス篇 プリンセス・ダイアリー 悩める見習いプリンセス篇


 文庫版でも3巻まで出てます。
 プリンセス・ダイアリー 1 (河出文庫) プリンセス・ダイアリー(2) ラブレター騒動篇 (河出文庫) プリンセス・ダイアリー 3 恋するプリンセス篇 (河出文庫)




 (読んでいただくのが一番早いんですが)これらはなんというか、現代的少女小説のような、ライトノベルのような、でありつつ独自の味があって非常に面白いんですよ。
 なんですけど、ネット上で感想を探してみてもなんだか(男女問わず)ライトノベル読者層と重なっていないような感じがするんですわ。


 単純に知られていないから読まれてないのか、出版レーベルが違うから手に取られることすら無いのか、ライトノベル読者層に好まれるものと違うのか、私の感性がズレてるのか(これが一番ありそうですが)。

結局どうなってるんでしょ


 ここでタイトルの疑問に戻るんですね。
 「海外ライトノベルの邦訳って現状どうなってるのだろうか?」


 売れているのかと言えば、続編が訳され続けてるものは売れてはいるんでしょう。
 でも誰に?


 そもそも海外ではティーンズ向けの小説って日本のライトノベルのように大量に出てはいないんじゃないだろうか。
 では邦訳される頻度、というか量は?


 ライトノベル読者層を対象としてると想像される翻訳作品はライトノベルを読む人に本当に読まれてるんだろうか?


 謎は深まるばかりなのです。


*1:アーシュラ・K・ル・グインふたり物語 (集英社文庫―コバルト Y.A.シリーズ)とか。これ復刊しないんですかねえ

*2:ドラゴンランス戦記 (1) (富士見文庫―富士見ドラゴンノベルズ)とか

*3:この「ライトノヴェルズ」って表記はアリなの?

*4:もちろんこれは個人差が出過ぎるけど、それでもあるじゃないですか

*5:って書きかただとアレですが

*6:プリティ・プリンセス 特別版 [DVD]

先週今週読んだ本

  • メディエータ
    • 積んだきりだったのをまとめて読む。昔のコバルトの香り。ライトノベル・・・ではないのかね、ということで↑に。
  • 江戸食べもの誌
    • 落語の原型となった笑話も含めて面白い。でも、冷蔵庫もガスも無い時代って考えると、温度はどうだったんだろうなあ、などと思う。熱いのはともかく。
  • カレーライスの誕生
    • カレーライスかライスカレーか。月あたり何食というのが興味深い。逆に、1ヶ月間一度もカレーを食べない、という人はどのくらい居るのだろう。
  • 旅、ときどき厨房
    • 無理をせずに作ってる感じが良い。手抜きというのでは無く、出来ないことに無駄な労力を使わない、ということ。
  • なぞ食探偵
    • これも東京に行く前に読んでおきたい本かね。連載と刊行時期から言って今ではなくなっちゃてるのもあるのかも、ですが。
  • 銀河おさわがせ執事
    • 面白いような面白くないような。書くかどうか微妙だけど一応。多分、前作までのキャラクターで廻すことに終始してるからか。
  • 漫画家誕生
    • インタビュー集だけど、あとがきにもあるように縮めすぎというか圧縮しすぎ感。各漫画家について2〜3倍のボリュームがあれば、と思うが。この169人って言う人数は、現在活動中の漫画家の何パーセントくらいになるんだろうか。


ゴースト、好きになっちゃった メディエータ〈2〉キスしたら、霊界? メディエータ〈3〉サヨナラ、愛しい幽霊 江戸食べもの誌 表紙 カレーライスの誕生 (講談社選書メチエ) 旅、ときどき厨房 なぞ食探偵 (中公文庫) 銀河おさわがせ執事 (ハヤカワ文庫SF) 漫画家誕生 169人の漫画道




#自分の概算だと、プロの漫画家は現在全部で4500〜5000人前後居ることになるんだけど、この数字は検証しきれないんだよなあ。(一時的に描いていないのと引退したのを区別出来ないので)