情報中毒者、あるいは活字中毒者、もしくは物語中毒者の弁明

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漫画、あるいは小説、もしくはエッセイなどの
印象、あるいは連想、もしくは感想を書いてるBlog。

2017年に読んだ300冊以上から選んだ、オススメノンフィクション10冊



 読んだ本の一行感想的な物をtwitterで毎週つぶやいています。
 合わなくて途中で読むのをやめた場合は書かない、というルールでやってて、2017年は、373冊。


 その中から、小説以外で「これは」と思った本を10冊紹介します(順不同)。
 必ずしも最新の本ではありません。

  • 開封の包装史
  • 未開封の包装史―――青果包装100年の歩み
    • 果物や野菜、農産物包装業界で最大のシェアを持つ、株式会社精工の会長さんによる、どんな事をやってきたのかの歴史語りや対談など。所々ふわっとした記述もあるが、これは面白い。野菜売り場を見る目が変わるわ。
  • 世紀の空売り 世界経済の破綻に賭けた男たち
  • 世紀の空売り―世界経済の破綻に賭けた男たち (文春文庫)
  • 崑ちゃん ボクの昭和青春譜
  • 崑ちゃん ボクの昭和青春譜
    • 大村崑の自伝語り下ろし。喜劇人として、タレントとしてのこれまで。花登筺美空ひばり山口組三代目田岡組長関連の話は、そうだったのか、という結構な裏側まで語ってる。
  • セガVS任天堂 ゲームの未来を変えた覇権戦争
  • セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争(上)セガ vs. 任天堂――ゲームの未来を変えた覇権戦争(下)
    • 北米市場における、任天堂セガのすさまじい争いの歴史を数多くの証言から描き出すノンフィクション。一時はセガが追い抜いていたとか、日本との差も興味深い。現在を考えると、しかしなあ。
  • コンピュータに記憶を与えた男
  • コンピュータに記憶を与えた男:ジョン・アタナソフの闘争とコンピュータ開発史
    • 近代的コンピュータを発明したのは誰なのか、という歴史であまり知られることが無かった「真の発明者」と言えそうなジョン・アタナソフの話。アメリカの特許裁判は、色々面倒そうですねえ。
  • 闘うもやし
  • 闘うもやし 食のグローバリズムに敢然と立ち向かうある生産者の奮闘記
    • もやし生産農家の人が書いた、自分の家の歴史と、どん底状態からの這い上がり。ただ、まだまだ途上で、ゴールがあるのかさえわからない。熱く語る、大きな男だ。
  • 社史の図書館と司書の物語
  • 社史の図書館と司書の物語―神奈川県立川崎図書館社史室の5年史
    • 「社史」を収集している、神奈川県立川崎図書館の司書さんが、やってきた取り組みや、社史って面白いんですよ〜といったのをまとめた本。色々あるんですねえ。
  • ベストセラー・コード
  • ベストセラーコード 「売れる文章」を見きわめる驚異のアルゴリズム
    • プログラムによる文章解析により、どんな物語が「売れる」のかを分析することで見えてくるもの。物語の波、展開の仕方の類型など、そうだったのか、と。これは英語の研究だが、日本語だと、漫画だとどうなるか。
  • 昭和の翻訳出版事件簿
  • 昭和の翻訳出版事件簿
    • 海外出版の翻訳事情の歴史と実像。どういった契約が、GHQの介入とは、国による差や条約とどう向き合ってきたか。苦労も多かったんだなあ。そして、翻弄されていたんだなあと。
  • 叫びの都市 寄せ場釜ヶ崎、流動的下層労働者
  • 叫びの都市: 寄せ場、釜ヶ崎、流動的下層労働者
    • 釜ヶ崎の形成から、そこに流れつく人々、労働のあり方、そして変化と。不安定な雇用と労働という、現在の非正規までの繋がりを、そこから解き明かしていく。暴動は何故、誰がというのもまた。

 「セガ vs. 任天堂」は上下本だから、正確には「10タイトル」か。
 あと、「昭和の翻訳出版事件簿」の著者、宮田昇の書いたのが他にも出てて、そちらも面白かった。


 今年も面白い本を読めるといいなあ。


 といったところで今回はここまで。

2017年の記事まとめ

 数はそんな多くないですね。

 ブクマ数・アクセス数が多かったのは


 あたり。

2016年の記事まとめ

 細かい画像ネタなんかは、twitterに貼って終わりってのも多いので、記事の数は減少傾向。よくないな。


漫画家・出版関連の話


 漫画家の発言とか、その辺関連。

去年までの分

 2016年はちょっと少なめですかねー。それでも、それなりの数あるか。


 といった所で、今年もよろしくお願いします。



2015年の記事まとめ




 まあバラバラだこと。

その他

 と、こんな感じです。
 2016年もよろしくお願いいたします。

これで夜の英会話もバッチリ!?「ポルノ解読辞典」が面白い。



 これは、先日古書店で購入した英和辞典。「ポルノ解読辞典」(ペンタグル・編 波書房、1971年)です。
 


 英和辞典、ではありますが、ちょっと特殊でポルノ用語、エロワードの為のもの。
 1971年っていうのは、ポルノ小説を読むのにも努力が必要とされた時代だったんですね。


 カバー見返しには


 ポルノを読んだからといって、決してキミの人格が下劣だということにはならない。いや、むしろキミが現代人であるならば、ポルノについての一家言をこそ持つべきだ。
 だが、まだわがジャパン国では、ポルノは禁止されている。残念ながら日本語ではお目にかかれない。そこで、万難を排してでも、横文字で読まねばならぬ。それには、辞
書が必要だ。


 てな文章が書かれてます。



 で、この本にはa〜zまで250ページ以上に渡って関連用語が列挙されているわけです。
 a〜z
  



 いくつかの単語を抜き出してみますと、


 「cat」だけでこんなに意味あるんですね。
 


 あ、「catamine」ってバンコランのあれだ、とか。
 


 「dog」も、やはり色々な訳語があたる。
 


 「member」は、こんな記述が・・・。そうか!「草なぎメンバー」って、草なぎペニスって事で全裸を揶揄してたのか!
 


 日本語由来のでは「Yoshiwara」なんてのが。これ、進駐軍から帰った人しか使ってなかったろうし、現在は通じないんじゃあないだろうか。
 


 現代において役に立つかは・・・微妙ですが、なかなか面白いものです。


時代背景の解説


 大雑把に。間違ってたらすいません。


 この本が出版された頃は、まだエロ小説・官能小説が気軽に購読できる時代ではありませんでした。
 もちろん、宇能鴻一郎など日本の作家による官能小説はこの時期もう出版されてはいましたが、海外作品の翻訳はあまり無かった、のかな。


 関連しそうな主な事象を並べると、こんな感じでしょうか。

  • 1951年:「チャタレー事件」
  • 1952年:GHQによる統治の終了
  • 1960年:「チャタレー夫人の恋人」の完全版がイギリスで刊行
  • 1959年:「悪徳の栄え事件」
  • 1964年:日本国外への渡航自由化
  • 1971年:「ポルノ解読辞典」発刊
  • 1972年:「四畳半襖の下張事件」
  • 1975年:フランス書院(文庫サイズ官能小説)の設立
  • 1977年:ロマン文庫(海外ポルノ小説を訳出)が刊行開始
  • これ以後は、漫画雑誌や新聞に、ロイ・カールスンなど作家の作品の、山下諭一らによる翻訳が載ったりしてます。


 1971年を考えると、海外旅行からポルノ雑誌などを持ち込んだら、税関でチェックされて基本的に写真はアウト。
 しかし、文字の物ならスルーされていた時期と言う可能性が高いですね。
 だからこそ、この辞書が役に立つ可能性があったと。


 今と違って、海外Amazonに頼めば送ってくれる、なんてのは当然無かったのですし、洋書を扱う店でもポルノ小説はあまりなかったんじゃあないかなあ。
 どうだろう。



 それが今や、インターネットでなんでもかんでも、なんだよなあ。
 しかし、WEB翻訳サービスや、普通の英和辞典ではその辺の単語はわからないし、エロワードを的確に翻訳出来るサービスには需要があるのかも?


 といったところで今回はここまで。


 日本の官能小説 性表現はどう深化したか (朝日新書) 教養としての官能小説案内 (ちくま新書)


昭和三年の本から、昔の「勇者」についてボヤっと考える



 先日、古書店でこんな本を買いました。
 「日本勇者物語」と「世界勇者物語」(アルス、1928年 昭和三年)


 
 
 


 それぞれ左から、表紙・総扉・奥付。



 「日本児童文庫」のうち37・38巻にあたる二冊で、日本の勇者、世界の勇者が紹介されてるのです。



 現在は「勇者」という言葉が持つイメージの主流って、やっぱり「魔王と闘う唯一の人間」みたくなっちゃってんじゃあないかと思うんですよね。
 現在の定義がどうかってのは、ライトノベルなどを研究してる人たちが詳しいだろうし、的確かつ完璧な定義をしてくれると思うので、それは置いといて。
 まおゆう魔王勇者 1「この我のものとなれ、勇者よ」「断る!」



 そもそも、国語辞典などで調べると勇者って、

勇気のある人。いさましい人。勇士。


 で、魔王とか全然関係ないんだよなあ。
 これはやはり、ゲームというかドラゴンクエストシリーズから拡散され続けてきたイメージなんでしょうね。
 とはいえ、ドラクエもIではラスボスは「りゅうおう」、IIは「はかいしん」で、IIIからやっと「まおう」「だいまおう」なんだよな。



 日本で出版された書籍の中で「勇者」とタイトルなどで引っ掛かるのを見てみると
 国会図書館収蔵資料の中で昭和三年よりも古いのは、

  • 絵本集艸(1600年 慶長五年)
  • 勇者之宗教(1901年 明治三十四年)
  • 恋の勇者(1924年 大正十三年)
  • 勇者の国(1924年 大正十三年)


 なんてのがあって、あとは海外の宗教説話っぽいのが混じった

  • 勇者ダビデ(1925年 大正十四年)
  • 海の勇者(1926年 大正十五年)
  • 勇者パウロ(1928年 昭和三年)


 あたり。初期のこれらは、「勇士」でもよさげなのが多いんですよね。
 同年代のをタイトル「勇士」で検索してみると、件数も圧倒的に多い。
 というか、「爆弾三勇士」などの例を見るに、逆に何故「勇者」にしたのかがわからない。


 ちなみに、アルスの「日本勇者物語」「世界勇者物語」に掲載された人物は下記のとおり。


 日本は、まんま講談ですな。

  1. 坂田公時(さかたの きんとき)
  2. 鎌倉權五郎(かまくら ごんごろう)
  3. 畠山重忠(はたけやま しげただ)
  4. 河野通有(かうの みちあり)
  5. 妻鹿孫三郎(めが まごさぶろう)
  6. 梅澤彦四郎(うめざは ひこしろう)
  7. 鬼小島彌太郎(おにこじま やたろう)
  8. 千秋季忠(ちあき すゑたゞ)
  9. 横瀬勘九郎(よこせ かんくろう)
  10. 黒田長政(くろだ ながまさ)
  11. 後藤又兵衛(ごとう またべえ)
  12. 本多平八郎(ほんだ へいはちろう)
  13. 荒川荒五郎(あらかは あらごろう)
  14. 斑鳩平次(いかるが へいじ)
  15. 伊達政宗(だて まさむね)
  16. 塙團右衛門(ぼん だんえもん)
  17. 眞田幸村(さなだ ゆきむら)
  18. 眞田大助(さなだ だいすけ)
  19. 石川八左衛門(いしかは はちざえもん)
  20. 宮本武蔵(みやもと むさし)
  21. 正木大膳(まさき だいぜん)
  22. 荒木又右衛門(あらき またえもん)
  23. 關根彌二郎(せきね やじろう)
  24. 眞木五郎(まき ごろう)


 で、世界の方は何故こんな人選なのかよくわからない。
 キリスト教関連のが多めではあるけど、神話のペルセウス、ネルソン提督、探検家のナンセンとか、何故?
 日本側で宮本武蔵が居るなら、並列の最強人物、ブルース・リーを入れても、って時代が違うか。


 カッコ内は、文中でこの国の人、とされている国名。

  1. ペルセウス(ギリシア)
  2. ギデオン(イスラエル)
  3. アリマカス修士(ローマ*1 )
  4. 聖ジェヌヴィエーヴ(フランス)
  5. ルフレッド大王(イギリス)
  6. バート・ブルース王(スコットランド)
  7. ウィルヘルム・テル(スイス)
  8. ジャンヌ・ダルク(フランス)
  9. カルロ・ボロメオ(イタリア)
  10. ラファエット(フランス)*2
  11. ネルソン(イギリス)
  12. グラント(アメリカ)
  13. ナンセン(ノルウェー)


 敢えて「勇士」ではなく「勇者」と表記されたことに意味があるような、ないような。
 これらを出版した「アルス」というのが「ロトの紋章」での主人公の名前として採用されているというのがまた何か関連があるような、ないような。
 結果から逆に勇者とされてる、偉人伝的なような。


 やっぱり、現代の感覚からするとなんかピンときませんねえ。


 ドラゴンクエスト列伝 ロトの紋章 完全版 1巻 (デジタル版ヤングガンガンコミックスデラックス)



 戦後、1945〜1980年位まででタイトルに「勇者」を含むの見てみると、今度は武士や侍、というか講談系のが全くなくなってきてて、それもまたなんでかなーとか。

  • 砂漠の勇者(1948年)
  • ゴンダの勇者(1949年)
  • コルシカの勇者(1953年)
  • ケンタッキーの勇者(1959年)
  • 勇者ダン(1962年)(手塚治虫)
  • 勇者ライディーン(1975年)

 勇者って一体、なんなんでしょうね。(放棄)


 といった所で今回はここまで。

*1:にどこかから来た

*2:アメリカ独立戦争に参加したラファイエットの事

最近買った古本に書かれていた事、挟まれていた年次のわかるものなど


 古本を買うと、書き込みがあったり、しおりがわりに何か挟まれてたりすることがあります。
 滅多にないけど、へそくりとして現金が、なんて話もあるみたい。自分は当たった事無いですが。


 つーことで、最近買ったのにあったのをご紹介。
 年次がわかるものは、その裏にある歴史や何かを考えてしまうよね。

  • 「お願い」の書き込み


 東京拘置所内に居た、日本赤軍メンバーに対する差し入れ本だったようです。(「A」に差し入れをしたシンパ?の名前、「B」に拘留されていた赤軍メンバーの名前)
 他の人間に勝手に本を持っていかれる、売られるって事があったのかなあ。
 

 


 「現代漫画論集」(青林堂、1969年)に書き込まれていました。
 


 しかし、日本赤軍と漫画の繋がりは、よど号事件の「われわれはあしたのジョーである」なんてのもあったりで、これは結構貴重な資料なのかもしれない。



  • 1989年中盤の書泉(本屋)のカレンダーカード


  


 グランデとブックマートしかなく、ブックタワー開店前って事ですね。
 電話番号も市内局番3ケタだし。
 裏面が時間割を書ける様になってるのは、当時の客層に合わせて、ということなんでしょう。

  • 1971年の山野楽器ヤマハエレクトーン教室三鷹校の宣伝カード


  


 開校の宣伝として配られたカードの様で、無料指導2回までのサービス付き。
 三鷹らへんが住宅地として開拓されていき、戦後生まれ世代に子供が出来て、習い事の選択肢としてエレクトーンが出てきていた、ということかな。

  • 1966年の日めくりカレンダーメモの一日分

 
 


 なんと、クリスマスイブの日付。
 日替わりメモ的なのに日付も入ってるものですが、メモ書きなどは無かったので、その日だけ破り取った、とも見えるのですよね。



 新古書店とかだと、帯も中に挟まってるもの(場合によっては全集の月報ですら!)捨てちゃうんで、こういうの発見すると実に楽しい。
 なんか面白いの発見したら教えてください。


 といった所で今回はここまで。


 レッド 最後の60日 そしてあさま山荘へ(1) (KCデラックス イブニング)